医学部の授業と問題点の考察:座学編

「医学部ってやっぱり、学部の中でもトップクラスだから教育環境もすごくいいんだろうな」「すごいお金もかかってるらしいし自動ドアとかあるんだろうか」「CGとかいっぱい使ってそう」

これらが私が入学前にイメージしていた医学部の授業である。医学部は基本的に他学部とキャンパスが別であることが多いため、ほかの学部から見ても、その授業形態は謎の部分が多いだろう。本記事ではそんな医学部の授業環境について記事を書いていく。

ちなみに授業の分類の仕方はいくらでもあると思うが、今回は座学(教室で席に座って講義を聞く授業)と実習(自らが能動的に動く授業)の2つに分類し、本記事では座学の問題点・改善点について解説していきたいと思う。

1.授業は基本的にパワーポイントでスクリーン上に映像が映し出される

これは、高校までの授業との決定的な違いではないだろうか。大学ではほとんどの授業がパワーポイントを使って行われ、配布資料(ハンドアウト)にそのパワーポイントの文字が印刷されている

中学・高校では基本的に板書で授業がされていることだろう。そんな高校生がいきなり大学の授業を受けたとき一番感動するポイントが、このパワーポイントによる授業に違いない。

正直な話、高校の授業くらいからこのパワーポイントを取り入れた授業をもっと取り入れて行くべきだと思う。いちいち板書をしながら書いていくのとでは、授業の進行スピードが全然違う。

小・中学校などでは板書をすることで得るものも多いだろう。漢字を覚える、文字を書く事で脳の発達を促す、自分でノートを工夫してとる能力を身に付ける、文字を書くスピードを上げるなどである。しかし、高校くらいになると学習量が膨大になるため、板書をしながら授業をするのは効率が悪いと思う。

そもそも、板書をしながら説明を聞くというのは、なかなかに至難の技だと個人的に思う。板書をパワーポイントに変え、配布資料を穴埋め形式にしたら、重要なところは頭に入りやすいし、授業時間も半分位で済むのではないだろうか。

授業時間を短縮した分、自習時間などを設ければ自分で学習する癖なども身につけられるし一石二鳥だと思うのだが・・・・。

いつか板書の授業は時代遅れになり、ほぼ全ての授業がパワポで行われる日が来ると私は信じている。

2.座学はわかりやすい授業もあればわかりにくい授業もある

正直、座学に関しては分かりやすいか分かりやすくないかは先生による。本当に熱心に授業の準備をしてくださり、ハンドアウトも丁寧につくってくださり、説明も動画までつけてくださる先生もいる。

一方で、ハンドアウトを配らず、そもそもパワポも作らず、話だけしかしない先生もいる。また、配布資料は英語の授業でもないのに全て英語などといった先生もいる。個人的には前時代的な授業をする先生だなーと思いながら聞いているのだが、こういう先生の授業は極めて出席率が悪い。

また、高校までの授業と違ってオムニバス形式の授業といって、同じ科目の授業でも、毎回担当する先生が変わる授業というのも多い。例えば、内科の授業だとしたら、呼吸器の授業をするときは呼吸器内科の先生が来てくれ、心臓の授業をするときは心臓内科の先生が来てくれるというものだ。

このオムニバス形式の授業はメリットもあるが、デメリットも多い。

メリットとしては、各専門の先生方が来てくださるため、かなり深い知識を手に入れることができるという点だ。例えば、呼吸器内科の詳しい診断方法や、どんな患者さんが多いなどは呼吸器内科医としての経験がなければできない授業である。

一方で、デメリットはいくつかの授業を通して見た場合、体系的になりずらいということだ。「その説明5回目だ」みたいなことが往々にして起こりうるのだ。例えば、私の大学では泌尿器という授業があるのだが、これがオムニバス形式で行われている。

一応カリキュラム上では、「〇日は手術」「△日は薬物療法」「×日は診断法」などといって決まっているのだが、毎回の授業で泌尿器系の解剖・生理から入るのだ。全部で15回の授業のうち10回は最初の30分くらいが泌尿器の同じ部分の解剖生理の説明である。いくら重要とは言え、もう覚えたわ・・・・と学生がつぶやくのも無理はない。これらは先生同士の連携をもっと密にとっていただくしかない。

3.大半の配布資料が白黒印刷である

これは、非常に残念な点である。例えば、病理学や画像診断学などは配布資料が配られたとしても、白黒印刷では何が何かさっぱり分からない。同じような組織像を参考書やネットで調べ直すという作業。まったくもって無駄と言わざるをえない。

昔、電子辞書などのなかった時代などは、紙の辞書で調べることが美徳とされた時代があった。電子辞書が発売された当初もまだその考え方は根強くのこっており、紙の方が周辺知識が多い、記憶に定着するなどといった根拠の薄い理由で紙辞書が推薦された時代もあった。

しかし、今はどうだろうか。例えば紙の英語辞書を使っているひとが今どれくらいいるだろうか。個人的な好き嫌いは別として、調べるのにかかる時間というのは無駄だというのが、今の時代の流れである。

カラー印刷で配られれば調べる手間のなかったものを、いちいち調べ直さなければならないのだから、この時間は無駄としか言いようがない

一方、今はソーシャルメディアなどの発達により、カラーの組織像などがネット上に挙げられてしまうと、著作権などの関係で問題になるというのが、先生方側の主張である。これらは、生徒側に教育を徹底するか、挙げられても問題のないような著作権がほぼフリーの組織像や画像のみでハンドアウトを作成してもらうしかない。

以上が、医学部の授業と問題点の考察:座学編であった。現在の教育にはさまざまな問題点があり、一気に解決するのは非常に難しいことだと思う。しかし、一つ一つ学生側の考えていることや先生方の考えていることに妥協点を見出していき、解決していけば、よりよい日本の教育につながると信じている。

 

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