大病院とかかりつけ医の違い

一般の方々のなかには、「小さな診療所などよりも、大病院のほうが高度な医療を行っていて、より診断も正確で、優秀な医師がいる」と誤解されている方が結構いるのではないだろうか。これは完全な間違いである。

 

診療所の医師、こちらをかかりつけ医と呼ぶことにする。かかりつけ医の役割は基本的に、患者さんのどこに原因があり、重症化か軽症かを判断し、軽症ならばお薬などをその場で出して、重症あるいは緊急性がある場合には大病院に紹介するという役割をもっている。つまり、かかりつけ医は、全ての科を浅く、総合的にみることに長けている。また、いわゆるcommon disease(多くの人が罹患する病気)の患者さんが多く来るため、それらの疾患についての診断にも長けている。

一方、大病院の医師というのは、ある病気のエキスパートだったりすることが多い。つまり、どちらかというとある程度、かかりつけ医の段階で、疾病の候補が絞られてから診断することが多い。また、こちらに来る患者さんは中小の病院では治らない病気(難病や癌)であることが多いため、当然珍しい病気を診断することが多くなる。つまり、大病院の医師はレアな病気について治療・診断することに長けている。※もちろん、大病院の医師も一通りの疾病は診断できるが、ここではどちらに重きを置いているかという観点で記事を書いている。

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つまり、かかりつけ医と大病院はお互いに助け合いながら、あらゆる疾患に対応できるようにしているのである。どちらが高度という話ではなく、そもそもの役割が違うといっていい。
しかし、ここでいきなり患者さんが大病院に軽症にもかかわらず受診といったことをしてしまうと、この役割分担のバランスが崩れてしまう。そこで、政府は平成28年4月に大病院に紹介状なしで受診する人の受診料を引き上げるという政策に乗り出した。

個人的に、この政策自体がいいとか悪いというより、今の現状を考えると仕方がないと感じるのが本音である。それよりも、一般的な方々に、この大病院とかかりつけ医の役割の違いをもっと知ってもらえるような活動を活発化することが大切だと思う。

 

具体的な方策としては、まずは、学校教育で教えるということが大切だと思う。中学校の家庭科の授業などで教えることを必修化すれば良い。3分もあればかなり詳しく話せる内容なので、「他のこともたくさん教えないといけないのに・・」とはならないはずだ。大病院を受診する人が減れば、分担が適切に行われ、医療費軽減にも繋がるので、下手に数学などを教えるよりも社会経済へのプラス効果は大きいと思う(もちろん数学も大事である)。